古き良き、なにわの串焼きを堪能

JR福知山線石生駅から徒歩5分、日本一低い分水嶺に沿うように佇む老舗料亭「大和」直営の小料理屋。仕事帰りにふらり立ち寄る地元の常連客が多いが、初めてのお客も心配ご無用。暖簾をくぐると、カウンターの向こうからさらりと飾り気なく迎えてくれる。

店主余田亮一さんは関東出身。なぜ彼がこの地で庖丁を握っているのかを聞くだけでお銚子が2~3本は空くだろうから、敢えて詳細にはふれないでおこう。

ここに降る雨は、北は日本海、南は瀬戸内海に流れるということもあり、南北の漁場から届く魚が主役。目利きの店主が毎朝選んで自慢の腕を振るうからメニューは行ってのお楽しみだ。丹波ならでは春の筍、秋の松茸を看板料理としているが、日々手ずから集める季節の山菜や地元の新鮮な野菜、川魚のひとつひとつにも素朴な愛情が感じられるのが、我々酒通にとっては嬉しい限り。

この日は山菜(わらび、こごみ、たらの芽、山うど)を使った数々の小皿、もろみ豆腐、カワハギの身と肝のお造りに鍋、栗きん豚の角煮、〆はめはり寿司と、朝採りの筍の寿司。奥丹波・木札が通年飲め、和らぎ水(チェイサー)は仕込水を瓶詰したものというのも、酒蔵の近くならではの粋な計らいである。

お座敷の合間に顔をみせる「大和」の女将と店主の軽妙トークで今宵も盛り上がる地元の名店だ。

味やまと

aji yamato

〒669-3464 兵庫県丹波市氷上町石生767 → google mapで見る
TEL:0795-82-5375

【営業時間】
17時 ~23時 (L.O. 22時) 定休日:不定休 ※お昼は要予約

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