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山名酒造にかかせない
生産者を紹介します。

第15回
篠山手造り酒の会 

第14回
兵庫県立氷上特別支援学校

第13回
嶋本昭二さん
(粳米 ゆめおとめ)

第12回
株式会社 ウッドワーク

第11回
高橋輝宏さん
(株)タカハシ代表取締役
(洛紐巧芸)

第10回
荒木嘉信さん
(酒米 兵庫北錦)

第9回
橋本高穂さん
(酒米 野条穂−有機栽培−)

第8回
酒米試験地

第7回
古跡真一さん、清美さん
(酒米 山田錦−有機栽培−)
第6回
細見武憲さん
(酒米 兵庫北錦)
第5回
中六農園
(酒米 祝−いわい−) 第4回
荻野懿一さん
(酒米 杜氏の夢)
第3回
宮垣富男さん
(酒米 五百万石−有機栽培−)
第2回
藤田真一さん
(酒米 野条穂)
第1回
杜氏 中村 博さん
(酒米 五百万石)

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北海道で生まれ育った男が、遠く離れた奥丹波で有機農業を営む。この事実から一風変わった経歴の人物を想像するに難くない。父親が林業に従事し木材が身近だったことと、大学で語学を専攻したことから、輸入家具の製造販売会社に就職。誰も赴任したがらない東南アジアの日本向け製品生産工場の現地マネジャーとして手腕をふるっていた。ところが30代になり思うところあって一念発起、鳥取大学農学部を受験し合格、また一から自然と向き合うようになった。
その後、縁あって有機の里・わが市島町にやってきた橋本さん、持ち前の新鮮な発想と行動力で農作業に取り組んでいる。とかく従来の農薬に頼った農業は決まりきったことの繰り返しになりがち。人と違ったことをすると、あいつはなにやってんだ、と白い目で見られたり、あざ笑われたりする。しかし流れに身を任せるだけでなく、よく思考し、工夫し、実践する彼の存在はこの町にぴったりだ。
  
橋本さんの稲作はポット苗で始まる。この近辺の農家が行っている方法は、箱蒔きしてビニールハウスで促成栽培。一方橋本さんはといえば、苗箱に448個並ぶ直径約2cmの小さな穴に2粒から3粒薄く種を蒔く。そして古来の苗代方式でゆっくりと一本一本自然に育てていく。出来上がった苗は株と株の間を広くとって風通しよく植える。土作りも肥料設計も、教科書をうのみにすることなく、まず自ら検証し方法を模索する。こうして彼の作る稲はがっちり根を張って、他の圃場よりも剛健に育つのだ。田圃の傍の畑に植わっている人参・じゃがいも・玉ねぎも全て有機栽培。夫婦二人で食べる分以外は食用米を買ってくれる消費者にお裾分けしているという。今年はパン用の麦も植えていて、今から出来上がった麦を製粉しパンを作るのを楽しみにされている。
このたび、橋本さんに当蔵の復刻酒米「野条穂」の苗の栽培を託すことになった。半世紀前、栽培の難しさと農業の合理化のもと、忽然と姿を消したこの大切な種籾を彼になら預けられると確信したからだ。高く目標を掲げて、栽培面積を着実に広げていってくれるだろう。
名は体を現す。今も北の大地に住む父親が、冷害に負けぬ米のように立派に育って欲しいと祈って付けた“高穂”という名、それが今の彼の生き方に通じているように思われてならない。
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