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お店や店主を紹介します。


第25回 酒肴そっ啄 酒糀家 NEW


第24回 天然食堂 かふぅ

第23回 麦工房 らくだ

第22回 料理旅館 大和

第21回 イタリア料理
     タヴェルナ エレナ

第20回 ハンバーグステーキ
     ハウス 彩

第19回 三友楼

第18回 そばんち

第17回 茶香房 長竹

第16回 和食 菖蒲

第15回 海鮮居酒屋 大海

第14回 知多繁

第13回 ワールド株式会社

第12回 御料理 山荷葉

第11回 地鳥や 純鶏

第10回 沖縄料理 はとま

第9回 串料理 一富士

第8回 CAFE&BAR
     PAVOT

第7回 わいわい酒家
     かたりべ

第6回 波之丹州蕎麦処
     一会庵

第5回 Bar Blossom

第4回 こにし家

第3回 ひもん家

第2回 福田屋

第1回 はづき


イメージ

麦工房  らくだ

住所 〒561-0858 大阪府豊中市服部西町4-2-2 (地図
TEL 06-6863-6911
営業時間 AM8:00〜PM6:00
定休日 木曜日・日曜日


サハラ砂漠で自転車に乗る写真 一枚の写真がある。サハラ砂漠で自転車を押す旅人、それがこの工房のオーナーだ。

 パン職人になりたくて、神戸で3年修行を積み、渡米した友人を追ってニューヨークへ。しかしアメリカンドリームには敗れ、荒れた生活を送っていた。そんなある日セントラルパークで楽しげにジョギングする人たちを見る。気がつくと走り出していた。やがてボストンマラソンに出場し、ロサ・モタと肩を並べて2時間30分で駆け抜けるランナーにまで成長する。

オーナーの写真 その後、様々な職につきながら資金を調達しアフリカへ。昼は50℃、夜は0℃の果てしないサハラ砂漠を、荷を積んだ自転車を押し続け縦断する。無の極限のような砂漠でも、一日として同じは日なく、夜明けや日暮れの風や光は常に変化し、夜は地平線までに散りばめられた星空の下、宇宙に吸い込まれそうな錯覚に陥りながら、地球が動いていることを体感した。帰国後、さらに修行と研鑽を重ね自らの店「麦工房 らくだ」を開く。

 大阪伊丹空港へ向かう機影が頭上をかすめる下町で、無添加・手作りの力強いパンは生まれる。昨今のスーパー・高速道路のSA・出張販売の焼き立てベーカリーは、実は冷凍のパンを仕入れて焼いているだけの場合が多い。だがパン屋の醍醐味は、まずは作るパンの種類によって、原材料の小麦粉の品種、エイジング(熟成度)、挽き方、ブレンドを決め、酵母(イースト菌)を選定して生地を練り上げることにある。酒造りにも通じるが、原料第一は造りの基本だ。

パンの写真パンの写真

 「らくだ」のクリームパンには、通常の3倍の本物のカスタードクリームが入っている。ライ麦の天然酵母で作るクロワッサン。144層にまで仕上げたパイ生地のデニッシュ類。あんパンには小豆だけでなく丹波産黒豆も入っている。ドイツハードの香ばしさは大人の味。
 そして定番の食パン(キャラバン・パンドミ)には「奥丹波の純米酒粕」がエッセンスとして練り込まれている。生地の伸展がよくアミノ酸が豊富で芳醇な旨みをもたらす。持ち帰り、最初の包丁を入れた瞬間、仄かに酒の香りが漂う。

 朝3時から夕刻まで、違う原料、異なる製法を駆使して、日に1000〜2000個分の生地を練り、成形し、発酵させ、焼き上げる。日々違う環境(気温・湿度等)の下で、五感を働かせて微生物(酵母)の動きを見極めつつ、次から次へと魔法のようにたくさんのパンが生み出される。

お店の外観の写真 近年バングラデシュを訪れ、その極貧の国情よりも人々の信頼を大切にする暮らしぶりに、日本人が失ったものの大きさを実感したと。元気のない時、彼のパンを噛むと身体の中からむくむく力が湧いてくる。食べる嬉しさをくれる「らくだ」の底力なのである。

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