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蔵元とゆかりのある お店や店主を紹介します。
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麦工房 らくだ
■住所 〒561-0858 大阪府豊中市服部西町4-2-2 (地図) ■TEL 06-6863-6911 ■営業時間 AM8:00〜PM6:00 ■定休日 木曜日・日曜日 一枚の写真がある。サハラ砂漠で自転車を押す旅人、それがこの工房のオーナーだ。パン職人になりたくて、神戸で3年修行を積み、渡米した友人を追ってニューヨークへ。しかしアメリカンドリームには敗れ、荒れた生活を送っていた。そんなある日セントラルパークで楽しげにジョギングする人たちを見る。気がつくと走り出していた。やがてボストンマラソンに出場し、ロサ・モタと肩を並べて2時間30分で駆け抜けるランナーにまで成長する。 その後、様々な職につきながら資金を調達しアフリカへ。昼は50℃、夜は0℃の果てしないサハラ砂漠を、荷を積んだ自転車を押し続け縦断する。無の極限のような砂漠でも、一日として同じは日なく、夜明けや日暮れの風や光は常に変化し、夜は地平線までに散りばめられた星空の下、宇宙に吸い込まれそうな錯覚に陥りながら、地球が動いていることを体感した。帰国後、さらに修行と研鑽を重ね自らの店「麦工房 らくだ」を開く。大阪伊丹空港へ向かう機影が頭上をかすめる下町で、無添加・手作りの力強いパンは生まれる。昨今のスーパー・高速道路のSA・出張販売の焼き立てベーカリーは、実は冷凍のパンを仕入れて焼いているだけの場合が多い。だがパン屋の醍醐味は、まずは作るパンの種類によって、原材料の小麦粉の品種、エイジング(熟成度)、挽き方、ブレンドを決め、酵母(イースト菌)を選定して生地を練り上げることにある。酒造りにも通じるが、原料第一は造りの基本だ。 ![]() ![]() 「らくだ」のクリームパンには、通常の3倍の本物のカスタードクリームが入っている。ライ麦の天然酵母で作るクロワッサン。144層にまで仕上げたパイ生地のデニッシュ類。あんパンには小豆だけでなく丹波産黒豆も入っている。ドイツハードの香ばしさは大人の味。 そして定番の食パン(キャラバン・パンドミ)には「奥丹波の純米酒粕」がエッセンスとして練り込まれている。生地の伸展がよくアミノ酸が豊富で芳醇な旨みをもたらす。持ち帰り、最初の包丁を入れた瞬間、仄かに酒の香りが漂う。 朝3時から夕刻まで、違う原料、異なる製法を駆使して、日に1000〜2000個分の生地を練り、成形し、発酵させ、焼き上げる。日々違う環境(気温・湿度等)の下で、五感を働かせて微生物(酵母)の動きを見極めつつ、次から次へと魔法のようにたくさんのパンが生み出される。 近年バングラデシュを訪れ、その極貧の国情よりも人々の信頼を大切にする暮らしぶりに、日本人が失ったものの大きさを実感したと。元気のない時、彼のパンを噛むと身体の中からむくむく力が湧いてくる。食べる嬉しさをくれる「らくだ」の底力なのである。 |
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