酒井硝子株式会社
酒井硝子株式会社

ひと目見ればその独特なフォルムと発色の良さからすぐに分かる。そして特別な酒はこの酒井硝子の壜に詰めたいと願うのが、我々酒造家の本音です。

訪れた工場の窯は、古いSFやジブリの映画にでも登場しそうな無骨な外観。内部は炎揺らめく1500℃の炉で、人が一人すっぽり入いるくらいの坩堝(るつぼ)~原料を溶かす容器~が据えてあり、丸い窓から竿をその坩堝に差し入れます。

真っ赤に焼けたガラス素地を玉にして巻き上げ、粗型(わんがた)で調整したのち本型で成形していく。職工たちが一本一本手渡しで仕上げる半人工製の壜も、西日本では唯一ここ酒井硝子だけになりました。

突然、階下から全身防火仕様の男達(熔融部)が現れ、やおら窯の外壁の鉄板を剥ぎだしました。この日はちょうど“堝(つぼ)送り”と呼ばれる坩堝交換の日。熔融部、製壜部が入り乱れた窯の取り壊し作業に取り掛かります。

飛びかかるように鉄棒を突きさすもの、焼けた耐火煉瓦をスコップでかき出すもの。炉が露わになるにつれ炎が噴き出し、離れていても肌が熱気で焼けそうです。それでも男達はひるまず窯に向かっていく。やがて姿を現した坩堝は専用の台車で引き出され、窯には新しい坩堝が据えられました。

炎との格闘が終わり静けさの戻った窯場に、しばらくするとどこからともなく美しい響き・・・何週間も炉で焼かれた坩堝が外気に触れてひび割れていく音。それはまるで天の調べのよう。折しも窓から夕陽が差し込み、場内がこの世のものとは思えない雰囲気に包まれた瞬間、私は酒井硝子の壜の神秘的な魅力の源泉に触れた気がしたのでした。

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